米倉教授率いる日本クラスタがiHubに集結、アフリカビジネスの可能性に触れる

米倉教授ビジネスツアー、初のケニア訪問

10月1日、法政大学大学院の米倉誠一郎教授率いる日本クラスタがケニアのインキュベーションセンターであるiHubを訪問した。参加者は企業経営者や幹部、起業家、MBA社会人学生など30名近くが集まり、そのほとんどが初めてのアフリカ上陸。米倉教授は2012年から南アフリカでビジネスツアーを行っているのが、今回は初めてのケニア開催となった。

米倉教授(中央下)率いる日本クラスタ。現地起業家のプレゼンテーション等を交えてアフリカビジネスの可能性について議論した。

iHubはFacebook社のCEOであるマーク・ザッカーバーグが訪問したことで有名なアフリカを代表するインキュベーションセンター。起業家以外にもシステムエンジニア、投資家、大手企業社員、法務・税務の専門家等、イノベーションを起こすために必要なものが全て揃っており、オフィス内のあちこちで職種、組織の垣根を超えた議論が行われている。今週にはサブサハラアフリカで初となる世界最大のシステムデベロッパー会議『Droidcon』が開催予定であり、日本人参加者はアフリカ発イノベーションの最前線に感嘆の声が絶えなかった。

iHubのコワーキングスペース。現在ここを拠点としている日本人起業家もいる。

現地起業家プレゼンにアフリカビジネスのパイオニアが参加

同訪問と併せて、アフリカの若者人材育成を目的としたABEイニシアティブで日本に留学経験のあるケニア人と現地日本人起業家を中心に事業のプレゼンテーションが行われた。ケニア人起業家は日本で培った専門性と経験を武器に積極的に事業を起こしており、プレゼンではソーラー事業、衣料系事業、IT事業等が紹介された。アビバテクノロジーズのCEOであるクリストファー・マイタイ氏は「日本から帰国後も複数の日系企業と共同プロジェクトを進めており、今でも日本と深く結びついている。ケニアの可能性をより多くの方に知ってほしい」と語り、日本とケニアのビジネス可能性への期待を表した。

事業プレゼンを行うABEイニシアティブ修了生。

同プレゼンにはアフリカビジネスの草分け、ケニアナッツカンパニー創業者の佐藤芳之氏が急遽参加。佐藤氏はアフリカビジネスについて自身の経験を振り返り、「アフリカとの関わりは1963年から始まり、当時はお金がない、人材がいない、お客さんがいないという、『ないない』尽くしの状況から始めた。その後鉛筆工場や木材の製材事業などに次々と挑戦し、ナッツ事業でやっと成功することができた。これからアフリカに挑戦する日本人は現地に腰を下ろし、粘り強くやってほしい」と激励の言葉で締めくくった。

ケニアナッツカンパニー創業者の佐藤芳之氏。半世紀を超えるアフリカでの経験を参加者に伝えた。

「日本人がアフリカに進出するタイミングは今」という理由

プレゼン終了後にはネットワーキングセッションが開かれ、iHubを拠点とする起業家やシステムエンジニアを交えてビジネス談話が行われた。日本人参加者からは現地ビジネス情報について様々な質問が相次いだ。ある中堅メーカーの経営者は「農業とテクノロジー分野でケニアにおけるビジネス機会を知りたい。初めてのアフリカだが来てみないと分からないことが多く、想像していたイメージとは全く異なっていた」と語る。

米倉教授は日本企業が成長してきた経緯とグローバル市場における動向に触れつつ、「高度経済成長期、バブル期を通じて、日本企業の多くが豊富な国内需要に依存した発展を遂げてきた。しかし、既に時代は変わっており、これからは海外需要を取り込んだ企業戦略が必要になっている。とりわけ更なる経済成長が期待されているアフリカで利益を上げる必要性が生じており、まずアフリカに来てみることで新たな成長戦略を刷新することが重要だ」と、アフリカ進出の意義を唱えた。

筆者:長谷川 将士