テロ強襲後の課題、血液ストックの偏りが継続中か

ナイロビでは15日、武装集団によりビジネス系複合施設「14リバーサイド」が襲撃された。イスラム過激派組織アルシャバーブが関与したものとみられるが、翌日16日にはウフル・ケニヤッタ大統領が安全宣言を行い、事態は一応の収束を見せた。

一方で被害者の治療に当たっている病院では現在も対応に追われている。15日に緊急の献血要請が発表後に多数の献血希望者が病院へ駆け付けたが、一部の私立病院では血液ストックが貯蓄され、国立病院で不足する状況となっている。

献血希望に百名超が来院、昼夜を問わずの治療

事件発生現場から3キロに位置するM.P.シャー病院では7名の被害者を受け入れ、現在2名が死亡、2名が退院、4名が入院中という状況。同病院の最高執行責任者であるトセーフ・ディン氏によれば、襲撃発生後にSNSを通じて事件を知り、即座に患者の受け入れ準備に移行した。シフト制で医療スタッフが治療に当たっていたが、勤務時間外になっても退勤を拒否し、ほとんどのスタッフが治療に従事した。

地元メディアやSNSで献血要請が発表された後には100名を超える希望者が来院し、現在血液バンクには十分に貯蓄されているため、新規の献血希望者を断っている。トセーフ氏は「命を救うためにケニア人たちが行動した結果だ。彼らの協力に感謝しており、迅速な行動に救われた」と述べる。

血液の偏在、周知が不十分か

一方で事件現場から約6キロ離れたケニヤッタ国立病院では血液が不足しており、新たに献血を募っている。病院側は公式な回答を控えたものの、献血スタッフによれば血液ストック量が安定しておらず、更なる献血要請が必要だとしている。同院は国立病院として安価な治療費で医療を提供しており、ケニア各地から手術が必要な患者が来院し続けているため、血液が慢性的に不足しがちだ。被害者の治療で大量の血液を使用したことも加わり、今後も継続的に血液の確保の必要性に迫られている。

地元テレビ局のリポーターは匿名を条件に、「医療費の高い私立病院よりも安価で治療を受けられる国立病院に集中的に被害者が移送された可能性がある。集中的に患者を受け入れた各病院に取材したが、一部の病院では現在も血液が足りていない。現状を周知する必要がある」とコメントした

筆者:長谷川 将士

経済・社会

Posted by HasegawaMasashi