世界へ羽ばたくか、異色デザイナーが手掛ける『メイドインケニア』ブランド

ケニアでは輸入中古衣類が大量に流通しており、割高な国産製品は中々庶民の手に届いていない。政府は製造業を振興しようとやっきになっており、世界的にアフリカファッションの人気が上昇しているものの、ケニアのファッション業界は未だ規模が小さいといえる。こうした状況の中、アメリカのニューオーリンズから始まったとあるブランドが異彩を放っている。それがオダオモ(odAOMO)だ。

オダオモの創業者兼チーフデザイナーのソフィア・オモロ氏はカナダのトゥレイン大学で薬学の博士号を取得した、異色の経歴の持ち主。オダオモは2014年にニューオーリンズで始まり、2017年にケニアでの販売を始めた。社名はケニアの主要民族の一つであるルオ人の言葉とソフィア氏のミドルネームを組み合わせたものであり、『アオモの家』を意味する。ソフィア氏はこれまでケニアで作られた服が単なるコスチュームの様に外国人に扱われていた場面を目の当たりにし、アフリカ人やケニア人が生活の中で着ることが出来る服を作りたいという思いがあった。

「オダオモにはケニアの物を使って服として文化を残すこと、そして新しいファッションを作ることという二つの目的があります。これまではヴィクトリア朝風のスタイルの服を作ることに挑戦していましたが、これからは更に進化させたファッションを提供していくつもりです」

オダオモ創業者のソフィア氏(右)とデザイナーたち

オダオモの特徴は伝統と最新の融合を目指したファッションを作り出すことだ。同社製品は泥染め布、マサイ族のビーズ、ダチョウの卵の殻などをユニークにあしらい、ケニアの色合いやデザインを用いながらも現代風に仕立て上げられた服は海外でも評価が高く、ソフィア氏は世界で通用するブランドであると自負している。

同社の製品はナイロビにあるVillage marketの店舗で販売されているが、アメリカにも輸出されており、更なる海外展開を進めている。

オダオモの製品たち。衣類から小物まで販売している

今年の二月にリリースされた最新作であるダニア・コレクションは世界を見据えたブランドとして立ち上げられた。スワヒリ語で『世界』を意味するこのコレクションは人生の始まりから終わりまで表現し、4カ月間を費やした同コレクションは現在のトレンドを反映して上品かつシンプルな作品に仕上がった。

ダニア・コレクションは若年層から年配の方までを幅広くターゲットにしており、誰もが愛するブランドになってもらえるようにという願いが込められている。また、このコレクションでは比較的価格を抑えており、45ドルから185ドルで販売されている。販売開始から既に数着売れており、ソフィア氏は同コレクションに手応えを感じているという。

ダニア・コレクションを確認するモデルとデザイナー

ソフィア氏によると、ケニアファッション業界では大勢のケニア人デザイナーが発注を依頼しているため「高品質で生産可能な工場(こうば)が渋滞している」状況だという。多くのデザイナーが意欲的に活動していることを好ましく思うも、同社では納期までに確実に生産を終えられるよう、繰り返し生産ミーティングを行い、生産性の向上を図っている。

ケニアのファッション業界について尋ねると、ソフィア氏は「ケニア産製品は輸入品と同じ水準で質が高いことを理解すべき」と胸を張って答えた。。ケニア産は輸入品に比べて質が悪いと考える消費者は依然多く、ケニア人にも手が届く値段で輸入品に打ち勝つクオリティの製品を出す必要があると考えている。

ケニアのファッションブランドがケニア国内で成熟するにはまだ時間がかかるかもしれない。しかし同時に、オダオモのように世界を見据え、より多くの人々の感性を揺さぶる製品が誕生しつつある。

筆者: Nairesiae Masikonte

翻訳: 長谷川 将士

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Posted by HasegawaMasashi